独 放射性廃棄物輸送巡り衝突

 ドイツで、原子力発電に反対する市民数千人が、放射性廃棄物を輸送する貨物列車を妨害するなどして警察官と衝突し、けが人が出ています。

 ドイツでは、国内の原発から出た放射性廃棄物の再処理を隣国・フランスの企業に依頼していて、25 日、再処理されたおよそ150トンの放射性廃棄物を積んだ貨物列車がドイツ西部に入りました。放射性廃棄物は、北部ゴアレーベンにある中間貯蔵施設に運ば れることになっていますが、26日、反原発団体の呼びかけに応じた市民数千人が線路の上に座り込んだり、火をつけたりして列車の運行を妨害し、警備に当 たった警察官との衝突で、警察官少なくとも20人がけがをし、デモ隊にもけが人が出ています。また、中間貯蔵施設に近い北部の町、ダネンベルクでは、主催者の発表で2万3000人の市民が参加して反原発集会を開き、国内すべての原発の即時閉鎖などを訴えました。ドイツ政府は、東京電力福島第一原子力発電所 の事故を受けて、2022年までに国内すべての原発を廃止することを決めましたが、核廃棄物の最終処分場の建設計画は宙に浮いたままです。フランスで再処 理された放射性廃棄物のドイツへの搬入は、福島第一原発の事故後、初めてで、原発反対派が政府に対し改めて不満を表明した形です。

11月27日 5時52分 NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111127/k10014227401000.html