放射性物質調査 宮城のがれき ほぼ「安全」

 宮城県は25日、東日本大震災で発生した災害廃棄物の放射性セシウム濃度測定結果を発表した。11市町全てで国が埋め立て処分を可能とした基準値(1キログラム当たり8000ベクレル)を下回ったが、亘理、山元両町の可燃物は、焼却した場合、焼却灰が基準値を超える可能性のある濃度だった。
 県は「多くは適正に処理すれば、安全に処分できる数値」との見解を示した。測定結果を踏まえ、災害廃棄物の受け入れを県外の自治体に働き掛ける。亘理、山元両町の廃棄物については県内処理を原則とする方針。
 7市4町の1次仮置き場12カ所で採取した試料を木材、紙、プラスチックなど7種類に分別し、それぞれの濃度を測定した。不燃物を含む各試料の推計値は92〜993ベクレル、可燃物に限った場合は68〜769ベクレルだった。
 種類別では、放射性セシウムが付着しやすいカーペットや布団などの繊維類、プラスチック、5ミリ未満の細かいホコリの濃度が比較的高くなる傾向を示した。
 亘理、山元両町の可燃廃棄物はそれぞれ350ベクレル、769ベクレルとなった。環境省の指針に沿って焼却後の濃度を推計すると、基準値の8000ベクレルを超えるという。
 がれき量が膨大で、県外を含む広域処理が必要な石巻市分の可燃物は101〜171ベクレルで、焼却しても基準値以内の数値だった。
 県は今後、焼却前に廃棄物を洗浄するなどの対応策を検討する。震災廃棄物対策課は「焼却しても基準値を超えないような処理を考えたい。県外搬出については、国民の理解を得る取り組みを国が主導的に進めてほしい」と話した。

河北新報社 2011年11月26日土曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/11/20111126t11017.htm