東海地震に備え がれき処分場4カ所選定へ 静岡

 東海地震が発生した際には、県下全域で膨大ながれきの発生が想定されることから、県は震災がれきを処理する最終処分場の用地選定を始めた。川勝平太知事が15日の定例会見で明らかにした。東海地震時の震災がれきに特化した処分場を想定しており、県東部、中部、西部、伊豆の4カ所に、それぞれ約4・7ヘクタールの用地確保を目指している。

 川勝知事は「本県は横に長いので(最終処分場は)3つ4つ必要で、これから探さなければならない。さしあたっての(東日本大震災の被災地の)がれき処分は通常のやり方で行い、最終処分場は中長期的なものとなる」と述べた。

 県環境局では、東海地震が起きれば県内だけで3600万トンのがれきが発生し、このうち可燃物は35%程度と試算した。県は現在、焼却灰の最終処分場を所有していない。しかし、今回の東日本大震災で、がれき処理の停滞が復興の大きな妨げになったことから、自前の最終処分場を確保する必要性を痛感したようだ。

 可燃物は燃やすと10分の1に減少するため、東海地震時に発生が推定される1260万トンの可燃性がれきからは、126万トンの焼却灰が出る計算。この量を4カ所で処理する場合、1カ所で約30万トンの処理能力が必要で、用地は1カ所当たり約4・7ヘクタールが必要になるという。

 具体的な場所としては県有の遊休地などが候補になりそうだが、県環境局では「通常のごみ処理で発生する焼却灰でさえ他県に処理を委託している市町も多く、最終処分場は足りていない。新たに選定するには地元市町の同意が必要で、かなり時間がかかる」と、地元の理解を得ながら慎重に進める方針だ。

msn産経ニュース 2011.11.16 02:05
http://sankei.jp.msn.com/region/news/111116/szk11111602060000-n1.htm