東日本大震災:県市長町村会、被災地がれき受け入れに条件 /静岡

 ◇「県が焼却灰にめど」
 県市長会・町村会は10日、被災地のがれきを各市町が条件付きで受け入れるとする共同声明を発表した。「(国・県は)安全性確保のほか、焼却灰の埋め立てなどについて考慮しなければならない」とする条件で、がれきを焼却後に処分を委託する業者の確保が課題となるため、実際に受け入れが始まるかどうかは不透明だ。【平林由梨】
 ◇知事「市町で処理を」
 この日の会合は、川勝平太知事が岩手県山田、大槌両町のがれき受け入れを首長らに求めたことを受け、静岡市内のホテルで開かれた。川勝知事は「各市町のゴミ処理能力の余力の1%で構わない」と、焼却施設や最終処分場を管理する市町に要請した。
 各市町からは「復興に向けできることはしたい」(下田市など)と前向きな意見が出た一方、沼津市の栗原裕康市長は「焼却灰の処理を県外に委託している自治体がある。(被災地のがれきを引き取らない業者がいるので)県が業者をあっせんするなど、めどを付けるべきだ」と注文した。
 しかし川勝知事は、「各市町でやってほしい」と業者のあっせんは拒否し、焼却灰の処理を各市町に委ねた。
 市長会会長の鈴木尚富士市長は、「できれば全市町で共同歩調をとりたい」と受け入れに前向きな姿勢を示しながらも、「自治体への丸投げは困る」と指摘。「議会への説明をしないまま、声明を採択するのは拙速」と述べた吉田町の田村典彦町長のように、議会の判断を重視する自治体もあった。
 被災地のがれきは、福島第1原発事故の影響による放射性物質への恐れから、受け入れが進んでいない。環境省福島県を除く岩手、宮城両県のがれきの広域処理を呼びかけており、県内で受け入れが始まれば東京都、山形県に続き全国で3例目となる。

毎日新聞 11月11日(金)10時44分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111111-00000010-mailo-l22