大村知事、汚染がれき受け入れで国に具体指針要請

 東日本大震災で岩手、宮城両県で発生したがれきの受け入れの可否を検討している愛知県の大村秀章知事は、17日の定例会見で「県民を安心させるためのツール(道具)がない。環境省の怠慢だ」と述べ、放射性物質に汚染された可能性があるがれきの処理方法などを具体的に示すよう、国に要請する方針を示した。

 環境省は8月に、放射性セシウムの濃度が1キロ当たり8000ベクレル以下の焼却灰は、埋め立てが可能とする指針を示している。大村知事はこの指針だけでは不十分とし「近く、国に率直な意見を申し上げたい」と述べた。

 愛知県は4月の段階で、29の市町村と一部事務組合が「受け入れ可能」としていたが、その後汚染への不安が高まり、環境省の意向を受けて今月13日、県内市町村などを対象に受け入れ可能量の再調査を始めた。21日を回答期限としたが、大村知事は「21日の段階で各市町村の回答を、そのまま環境省に伝えることはしない」と述べた。

 大村知事は21日以降も、国に具体的な処理方法の提示を求めながら、愛知での受け入れの可能性を探る考え。「市町村と語り合う機会もつくりたい」とも述べた。

中日新聞)2011年10月17日 17時11分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011101790165229.html