東日本大震災:浄水場汚泥の放射性物質汚染、処理コスト3倍に /千葉

 ◇県、東電に差額請求へ
 県管理の浄水場で発生する汚泥が放射性物質に汚染されている問題で、県は12日、汚泥を全量再利用していた東日本大震災前に比べ、処理コストが3倍程度に膨れあがっていることを明らかにした。県は処理費用の差額を東京電力に請求する方針。県議会総合企画水道常任委員会で、委員の質問に答えた。
 県水道局によると、汚泥処理のコストは、業者がセメントの原料として再利用するために引き受けた場合、1トンあたり約1万2000円だったが、震災後、最終処分場に埋め立て処理する場合、約3万円かかっているという。同局は「再利用できない以上、コスト高になる。多少高くなるがやむをえない」と理解を求めている。
 浄水場で発生した汚泥の放射性セシウムは、ちば野菊の里浄水場松戸市)の1キロあたり5390ベクレルが最大で、国の埋め立て可能とする基準値(同8000ベクレル)を下回っていたが、再利用する全セメント業者が一時、引き受けを拒否し、施設から搬出できず、敷地内での保管量が増えていた。
 10日現在、保管中の汚泥の量は保管している4浄水場で計1万2000トンあるが、震災後のセメントへの再利用分は約1128トンにとどまっている。一方、君津市の最終処分場への搬出量も約860トンに達し、保管量は徐々に減る見通しという。【斎藤有香】

読売新聞 10月13日朝刊
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