東日本大震災:がれき受け入れ、島田市に反対署名簿−−処分場周辺住民ら /静岡

 島田市東日本大震災で被災した岩手県大槌、山田両町のがれきを受け入れる方針を決めたことについて、最終処分場がある同市阪本の住民有志は20日、「市が放射性物質に汚染され安心して住めなくなる」と、がれきの受け入れと焼却灰の埋め立てに反対する署名簿を提出した。署名数は延べ470人分あり、周辺2町内会の半数近くに上る。

 署名を提出したのは、処分場に一番近い谷口上町内会(292人)と谷口下町内会(577人)、両町内会の小学生の保護者で構成する谷口子供会の3団体の有志。報道でがれきの受け入れを知った子供会の母親たちが中心となり、19日の1日で署名を集めた。3団体を代表して谷口上町内会の農業、松浦雅則さん(45)が久保田正・環境経済部長に手渡した。

 自身も小学2年生と5年生の男の子を持つという松浦さんは「私が訪ねた中で、もろ手を挙げて賛成という家庭は一軒もなかった。地元の子どもたちを守るため、悪い影響を与える放射性物質は少量でも持ち込んでほしくない」と話した。

 桜井勝郎市長はがれきの受け入れは住民の理解が前提との考えを示しており、国と県は21日、2町内会の住民を対象に説明会を行う。署名を受け取った久保田部長は「署名に反映されていない意見もあると思うので、説明会での住民の意見も伺いながら、市として判断していくことになるだろう」と話した。【小玉沙織】

毎日新聞 2011年12月21日 地方版
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20111221ddlk22040248000c.html