(静岡県)島田市 試験的受け入れ

 島田市の桜井勝郎市長は24日、岩手県大槌町や山田町の震災がれきについて、最初は試験的に受け入れて、放射性物質検査などを行った後、正式な受け入れ表明を行う方針を明らかにした。桜井市長は「市民に(試験の)全てを公開した時点で、決断しなければならない」と語り、住民への説明を尽くしていく考えを示した。

 同日、市内の町内会長らを対象とした説明会の後、記者会見で明らかにした。会見には、大村慎一副知事らも出席。試験的な受け入れの実施時期について、大村副知事は「1月中にできればいいが、できるだけ速やかに」と述べた。

 桜井市長は、がれきを処理する溶融炉や最終処分場の周辺住民に対し、年明けにも川勝知事とともに改めて説明する考えを示した。桜井市長は今月14日、読売新聞の取材にがれきを受け入れる方針を示しており、「受け入れを理解してほしい気持ちに変わりはない」と、基本的な方針に変化がないことを強調した。

 細野環境相は町内会長らへの説明会で、「受け入れに反対や心配をしている方には、国が責任を持って説明、説得する努力を最後まで続ける」と明言。「島田が前に進めば、必ず他の市町の動きも出る。受け入れに賛成の声を出してほしい」と呼び掛けた。会場からは「賛成」の声とともに拍手が沸く場面もあった。

 説明会に出席した町内会長の男性(66)は「八百屋を営む中、東北産野菜の風評被害の重みを痛感し、何とか力になりたいと思っていた。細野環境相の『安全性は責任を持つ』との言葉を聞き、その気持ちが強まった」と話した。

(2011年12月25日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20111224-OYT8T00862.htm