放射性物質:除染方法を具体的に…環境省がガイドライン

 環境省は11日、東京電力福島第1原発事故による放射性物質の除染に関するガイドラインを公表した。今月中に指定予定の「汚染状況重点調査地域」での作業を想定。実際の除染作業は自治体が行うため、除染計画を立てる際の放射線量測定方法、除染のやり方、汚染土壌などの収集・運搬、現場や仮置き場での保管方法の4項目について、イラストや写真で具体的に説明した。同省ホームページ上で14日から閲覧できるほか、関係自治体に配る。

 ガイドラインでは除染方法について、効果を確かめながら段階的に実践していく方法を示した。例えば屋根の除染では、まず落ち葉やこけなどを取り除き、ブラシなどでこする「ブラッシング洗浄」を実施。線量が下がらない場合は高圧洗浄に切り替え、それでも効果がない場合は削り取りを検討するとしている。除染後の排水は、できる限り回収するよう指示した。

 汚染廃棄物の大量発生を抑えるため、庭などでは表土を1〜2センチずつ削って効果を確かめながら除染し、樹木の伐採は他の方法で効果が期待できない場合に実施する。

 廃棄物を保管する「仮置き場」についても、放射能濃度や施設規模などに応じた管理方法を明記した。空間線量が毎時1マイクロシーベルト程度の地域で生じた小規模な廃棄物の場合は、雨水が入り込まないようにした上で30センチ以上土で覆うか、建物から1メートル以上離れた場所で袋などに入れて保管する−−などの例を示している。【藤野基文】

2011年12月12日 11時2分 更新:12月12日 13時17分
http://mainichi.jp/select/today/news/20111212k0000e040061000c.html?inb=ra