(岩手県)シートで飛散、侵出防ぐ 放射性物質含む焼却灰の飛灰

 (12/09)

埋め立て作業開始 胆江地区最終処分場

 奥州金ケ崎行政事務組合(管理者・小沢昌記奥州市長)は8日、胆江地区最終処分場(同市前沢区石田)で、放射性物質を含んだ焼却灰の飛灰をベントナイトシートで覆ってから埋め立てる作業を開始した。週1回のペースで当面、この方法を継続する。

 同組合が運営する胆江地区衛生センター(同市水沢区佐倉河)では、ごみ焼却後に残る主灰、焼却炉のフィルターに付着する飛灰から放射性セシウムが検出され、一時は飛灰から国の基準値(1キロ当たり8000ベクレル)を超える同1万500ベクレルに達した。

 同組合は8月から国の基準値未満となる混合灰にして最終処分場で埋め立て処理をしていたが、その後主灰・飛灰を分けて埋める方法に転換。2度にわたる住民説明会を経て、飛灰については「試験的に」ベントナイトシートで覆い、放射性物質の飛散や浸出を防ぐ方法に切り替えた。

 8日は、初めてベントナイトシートで覆う作業が行われた。持ち込まれた飛灰は、10トントラック3台分(約26トン)。粉末状のベントナイトを敷いた上に飛灰を盛り、上からベントナイトシート(幅1メートル、長さ5メートル)約10枚で覆った後、さらに覆土した。

 同組合によると、焼却による廃棄物は1日に13トン(主灰9・5トン、飛灰3・5トン)出る。飛灰は本来、微粉末だが薬品と水で固化してから処分しているという。この方法は放射線量が低くなるまで当面(少なくとも年度内いっぱい)は継続する方針。主灰は放射線量が低いため、従来通り埋め立てる。

 飛灰は2週間に1回、放射線量を調査し結果をホームページに公開しており、最近は4200ベクレル程度。1万500ベクレルを記録した106・5トンは現在も同センター焼却ピットに保管され、国の対応待ちの状態。最終処分場からの放流水も2週間に1回チェックしており、最近の数値では国の基準値(同150ベクレル)を大きく下回る8・7ベクレルという。

岩手日日新聞社
http://www.iwanichi.co.jp/tankoh/item_27195.html