秋田県、がれき処理協議へ 岩手と運搬方法など

 岩手県から要請されている東日本大震災がれき処理について、佐竹敬久知事は8日、記者会見し、対象となる4市町村のがれきに含まれる放射性セシウムが1キロ当たり100ベクレルを下回っていたことから、受け入れを前提に運搬や処理方法について同県と協議に入ると発表した。

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 7日までに提供された岩手県沿岸北部のがれきの放射能測定結果は、機器の測定不可能レベルを含めた「最大値」で、洋野町1キロ当たり36・2ベクレル(可燃物同39・3ベクレル)▽久慈市36・0ベクレル(同37・8ベクレル)▽普代村39・0ベクレル(同39・6ベクレル)▽野田村75ベクレル(同73ベクレル)と、国がガイドラインで示した運搬、再生利用、焼却が可能とする同100ベクレルを下回った。

 がれき13万トンのうち、木片・プラスチックなど可燃物約2万9千トンを最優先し、県内市町村の一般家庭ごみ用焼却炉で燃やしたあと、埋め立てる方針だ。県は職員を現地に派遣し、がれきの調査を行う一方、県内の市町村には岩手県4市町村のデータを提供して、がれき受け入れについて協力を要請する。受け入れを表明した市町村とは、具体的な受け入れ条件の協議や住民説明を進める。

 佐竹知事は破砕や運搬、処理方法、経費などについて、ある程度の合意ができた段階で岩手県と協定を結ぶ考えを示し、「来年1月ごろには、協定の方向性がまとまるのではないか」との見通しを示した。

 県の受け入れ方針によると、岩手県内でがれきを分別、破砕し、輸送の容器ごとに空間放射線量を県が測定し、トラックで県内に運搬する。準備が整った市町村から順次受け入れを開始したい考えで、この日の県議会福祉環境委員会で、青木満生活環境部長は「暖かくなるころに受け入れの具体的な動きが出てほしい」と述べた。

産経新聞 12月9日(金)7時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111209-00000023-san-l05