亘理、山元 放射性物質濃度 県公表

 県は25日、沿岸11市町のがれきの1次仮置き場で行った災害廃棄物の放射性物質濃度の測定結果を公表した。国は、がれきなどを焼却処理した灰を埋め立て処分できる基準を1キロあたり8000ベクレルとしているが、焼却後の数値に換算した場合、亘理町と山元町のがれきが基準を超えた。

 県は10月、仙台、利府、松島、女川の4市町を除く、気仙沼市から山元町までの沿岸11市町にあるがれきの1次仮置き場計12か所で調査を実施。がれきの材質ごとに木質や繊維類、細じんなど7種類にわけて放射性セシウムの濃度を測定した。

 このうち木質などの可燃物の5種類は、焼却すると放射性セシウムの濃度は最大で33倍まで高まる。11市町のがれきから可燃物を分別して焼却処理した場合の放射性物質の濃度を換算すると、最も北にある気仙沼市から岩沼市までは基準値内だった。しかし、県南部の亘理町が1キロあたり11655ベクレル、山元町が同25607ベクレルとなり、埋め立てに適さない濃度だった。

 記者会見した県震災廃棄物対策課の笹出陽康課長は「今後、可燃物の焼却灰などから8000ベクレルを超える放射性セシウムが出た場合は、国の方針に従って適切に対応する」と話した。

 同課によると、県内のがれきの総量は計1570万トンに上ると推計される。現在は各自治体の1次仮置き場に保管されているが、今後は2次仮置き場に運ばれ、分別や破砕、焼却などの中間処理が行われる。

◆がれき(可燃物)を燃やした焼却灰の放射性物質濃度(換算値、1キロあたりのベクレル)

気仙沼市 3563

南三陸町 3196

石巻市 3363

同市(牡鹿半島)5694

東松島市 3429

塩釜市 2264

多賀城市 5294

七ヶ浜町 4095

名取市 5661

岩沼市 7992

亘理町 11655

山元町 25607

(2011年11月26日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20111126-OYT8T00049.htm