(栃木県)焼却灰問題、大田原への搬入阻止 住民らが反発、組合は断念

 那須地区広域行政事務組合のごみ焼却施設「広域クリーンセンター大田原」(大田原市若草)の焼却灰から放射性セシウムが検出された問題で同組合は23日、別施設で一時保管していた焼却飛灰を同センターで保管するため搬入作業を始めたが、反対する周辺住民らの阻止行動で、この日の搬入を断念した。

 焼却灰を乗せたトラックが施設に入ろうとすると、住民ら約10人が、人の盾をつくり進入を阻止。組合側は解除を求めたものの、住民らは「すでにたくさん保管している。なぜここばかりが痛みを強いられるのか」などと反発。組合側は搬入を断念し、焼却灰は搬出してきた市施設「緑資源リサイクル施設」(同市亀久)に戻された。組合は今後リサイクル施設周辺住民や那須町などに現状を説明した上で保管場所の確保を急ぐ。

 飛灰は現在、約356トンをクリーンセンターで保管しているほか、リサイクル施設に約76トンを仮置きしている。しかし、この仮置きに対し、リサイクル施設周辺住民から理解が得られなかったため、同センターに搬入する計画だった。

 同組合の焼却灰を巡っては、一時国の基準値(8000ベクレル)を超える放射性濃度が測定されたが、現在は基準値を下回っているという。

下野新聞 (10月24日)
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20111024/642815