首都圏焼却灰、山積み セシウム検出、秋田・小坂町拒否

 民間最大規模のごみ焼却灰処分場のある秋田県小坂町が、首都圏からの焼却灰の受け入れを7月から拒んでいる。きっかけは、国の基準を超える放射性セシウムが検出された焼却灰が、連絡のないまま千葉県松戸市から運び込まれ、埋め立てられたことだ。町に灰を受け入れてもらっていた首都圏の自治体では、放射性物質を含む灰が行き場を失い、山積みになっている。

 発端は7月11日、松戸市内のごみ焼却施設の灰から、埋め立て処分に関する国の当時の基準値(1キロあたり8千ベクレル)を上回る同1万500ベクレルの放射性セシウムが検出されたことだった。

 松戸市小坂町に連絡するとともに、焼却場からの搬出を止めたが、貨物列車で輸送中の灰の埋め立て中止の措置はとらなかった。その結果、検査開始後の灰を含め高濃度セシウムを含む計約40トンが町で埋め立てられた。「排出元自治体としての責任を軽視した、極めて遺憾な対応だ」。8月3日、町は灰の受け入れ合意書の破棄を松戸市に通告した。8月8日にはJR大館駅秋田県大館市)に留め置いていた残りの灰を松戸市に送り返した。

asahi.com 2011年9月20日7時5分
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