(千葉県)柏・南部清掃工場 年明けにも再び停止

 高濃度の放射性セシウムを含むごみ焼却灰の保管場所がいっぱいになったため、千葉県柏市は市内に二カ所ある清掃工場のうち「南部クリーンセンター」を年明けにも停止することが十六日、分かった。当面はごみ収集は通常どおり行い、もう一カ所の工場で対応するが、新たな保管場所を確保できない限り再稼働は難しいという。

 南部センターは焼却灰の圧縮機能を備えた最新施設で、圧縮によりセシウムも濃縮され、国が埋め立て可能とする基準(一キログラム当たり八〇〇〇ベクレル以下)を大幅に超えるセシウムを検出。九月の定期検査から止めていたが、北部センターの処理能力が不足し、十一月九日に再稼働した。

 南部センターでは焼却灰をドラム缶に詰め、地下の空き部屋や配管のすき間に保管。「作業員の安全を確保しながら保管できる限度」(同センター)の約千本に対し、十二月九日現在で八百四十八本で、年内に保管場所がなくなる見込み。

 ごみの量が増える年末年始までは稼働させる。今のところ、新たな保管場所の候補はない。残る北部センターは従来型の焼却炉で灰のセシウム濃度が低いため、埋め立ては可能。ただ、通常三基動かしている炉の点検時などに、再び能力不足になる心配もある。

 秋山浩保市長は十一月末、細野豪志環境相に保管場所の確保や引き取りを求める緊急要望を行った。

2011年12月17日 朝刊 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011121702000018.html?utm_medium=twitter&utm_source=twitterfeed