(秋田)被災がれき 大仙市、受け入れ案を説明

意見交換会 期間2年、年2600トン処理

 岩手県が本県に打診している東日本大震災のがれきの受け入れについて、大仙市は10日、焼却場のある同市花館地区の上大戸会館で、周辺住民を対象とした初の意見交換会を開いた。市側が具体的な受け入れ方法などを説明したのに対し、集まった約20人の住民からは質問が相次いだ。

 意見交換会は報道陣に非公開で約1時間40分にわたって行われた。市側からは栗林次美市長らが出席。栗林市長は冒頭、「がれき受け入れを前向きに進めることができるかできないか、案を示した上で、意見をいただき、その上で判断したい」とあいさつした。

 市が示した受け入れ案では、秋田、岩手両県と、大仙市または大仙美郷環境事業組合を受け入れの枠組みの主体とする。搬出元は事前に協議してきた岩手県宮古市で、受け入れ対象は木材を想定。同市の仮置き場で両県が放射性物質濃度を測定し、安全性が確認されたものを大仙市の焼却場に運び、焼却灰を同市の最終処分場で埋め立てる。

 期間は2年とし、受け入れ可能量は1日10トンで、年間2600トンを処理する計画。安全確保策として市や放射線測定の専門業者などが焼却灰などの同濃度、施設周辺の空間放射線量を週1回程度測定するとした。

 同濃度などの基準については、栗林市長は「県と今後協議する」と述べるにとどまったが、一方で「何かあれば受け入れをやめることになる」との考えを示した。

 住民からは「放射線の健康への影響は」「風評被害が起きたらどうするのか」といった不安の声や、「地下水の測定などもやってほしい」との意見も出た。

 栗林市長は意見交換会の終了後、「大仙市の世論は、被災地支援で固まっていると思うが、意見を伺いながら丁寧に説明していきたい」と話した。参加した男性(78)は「本音を言えば、受け入れたくはない。だけどこうなってしまった以上、被災地を支えたい気持ちもあり受け入れざるを得ない」と語った。

(2011年12月11日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20111210-OYT8T00690.htm