震災がれき受け入れ 兵庫県知事、国の姿勢に懸念

 国が全国の自治体に東日本大震災のがれき受け入れを求めていることについて、井戸敏三兵庫県知事は9日の県議会本会議で「広域処理の全体方針や、放射性物質に汚染された災害廃棄物の取り扱い基準が不明確」と国の姿勢に懸念を示し、明確になれば受け入れを前向きに検討する意向を示した。

 岸口実議員(民主党・県民連合)の質問に答えた。

 環境省は岩手、宮城両県で発生したがれきの受け入れを要請。8月に広域処理の安全性ガイドラインを策定し、2度の改訂を行った。しかし、放射性物質への懸念から東京都など一部自治体を除き、進んでいない。

 井戸知事は課題を「全体の処理方針と処理方法、処理量、スケジュールなどが不明確」と指摘。廃棄物の種類や処理方法で放射線量の基準が異なることについても「(県民に)安全確保の一貫した説明ができず、これらをクリアする必要がある。十分な理解を得て、協力できる状況になれば対応したい」と述べた。(井関 徹)

神戸新聞 (2011/12/10 08:20)
http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/shakai/higashinihon/0004674216.shtml