(福島県)下水汚泥2万300トン 処理停滞、一時保管続く 県内

 5日に福島市で開かれた県環境審議会では、県が除染と汚染廃棄物処理についての現状と課題を報告した。汚染廃棄物は処理が停滞しているために保管量が増える一方で、下水汚泥は11月25日現在で約2万300トンに上ることが分かった。

 県によると、下水汚泥は約1カ月前の10月14日現在に比べ約4千トン増えた。1キロ当たり8000ベクレル以下なら通常の焼却処理や埋め立てが可能だが、埋め立てる処分場が決まらないために一時保管の状態が続いている。放射性物質を含むために再利用も進まないという。

 この他、除染のエリア選定や人手の確保、仮置き場の選定や仕様などの課題が報告された。

 審議会では、市町村向けに策定するとしていた除染マニュアルを年内にまとめる考えを示した。マニュアルには、除染方針を定めた農林地以外の宅地や道路などの除染について、業者への発注の仕方や標準的な単価、具体的な除染方法などを盛り込む。現在、作業を実施している福島、伊達、川内三市村の事例などを参考に策定する。

 荒竹宏之県生活環境部長は「除染や放射性物質の除去による自然環境への影響も課題。除去の仕方、自然環境の回復についても考える必要がある」とあいさつした。

 委員からは「除染計画で実施した結果を評価する仕組みが必要」などの意見が出された。

福島民報 2011年12月 6日
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2011/12/post_2691.html