焼却灰処理、見通し立たず 秋田

 ■受け入れ中止問題、来年度に影響

 大館市小坂町が首都圏からの家庭ごみ焼却灰の受け入れを中断している問題で、両市町の処分場を運営する「DOWAエコシステム」(東京)が、搬出元の自治体に受け入れ量の見積もりを示せず、来年度の処理事業の見通しが立たない状態になっていることが7日、分かった。

 同社によると、例年は約30の自治体・事務組合が次年度の予算編成を行う10〜12月に、焼却灰の受け入れ可能量や単価の見積もりを示し、1年ごとの随意契約や入札に臨んでいるが、両市町の受け入れ中断により、正確な見積もりが出せないでいるという。

 受け入れ再開が来年度にずれ込めば事業中止の可能性も出てくるが、加納睦也(のぶや)ウェステック事業部長は「搬出元の自治体は常に複数の受け入れ先を求めているので、年度途中での契約も可能」としている。

 国の暫定基準値(1キロ当たり8千ベクレル)を超える放射性物質を含む焼却灰が連絡なく埋立てられたことが問題の発端となっているため、小坂町には、受け入れに反対する署名が人口の過半数に上る3200人分提出された。

 町は10月31日、学識経験者や町議らによる調査委員会を発足。受け入れ再開の前提条件として、国より厳しい基準の設定を検討する方針を示した。今後、焼却灰の受け入れのあり方や管理方法を検討してもらう。加納事業部長は「会社側から国より低い基準を提示する考えはない。委員会の動向を見守りたい」としている。

産経新聞 11月8日(火)7時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111108-00000004-san-l05