(千葉県)排水からセシウム 焼却灰利用のセメント会社

 千葉県は2日、焼却灰を再利用しセメントを製造する「市原エコセメント」(同県市原市)が東京湾に流した排水から、1キロあたり1054〜1103ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。国が示した目安の14〜15倍。県の要請を受け、同社は同日午後、排水を停止したが、東京湾には1日平均約300トン、9〜10月だけで推計約1万3200トンが流されたという。県は海水の調査を始めた。

 県によると、10月28日に同社から、自主的な測定結果として、放射性セシウムが9月15日に同1103ベクレル、10月11日に同1054ベクレル検出されたと報告があった。放射性物質の測定や報告を義務付ける法令はないが、目安を超えているため、県は2度にわたり、同社に排水停止を求めた。同社は現在、県内から焼却灰など年約3万数千トンを受け入れるが、再開のめどが立たず、ごみの焼却業務への影響も懸念される。

 汚染を確認しながら、排水を続けた理由を同社は「確かな法令基準がなく判断できなかった。焼却灰の行き場がなくなるので、受け入れも断れなかった。指導に従い、最善の対処をしたい」と説明している。【斎藤有香、味澤由妃】

毎日新聞 11月3日(木)2時44分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111103-00000007-mai-soci