愛知県知事から細野環境相への質問状

 「被災地のガレキ 愛知では受け入れ回答なし」にあった、愛知県知事から環境相への質問状が公開されました。以下、転載します。

東日本大震災の災害廃棄物広域処理に関する質問書◆

質 問

質問1
災害廃棄物の受入れ基準の設定災害廃棄物について、通常の廃棄物と同様に埋立処分が可能とされる放射性セシウム濃度の基準(1kg 当たり8,000 ベクレル以下。以下「埋立基準8,000 ベクレル」という。)は示されているが、受け入れ、運搬、保管時等の焼却前における廃棄物の放射性物質の濃度基準がないと、その時点での安全性を県民に説明できない。そこで、焼却前段階における災害廃棄物の放射性物質の濃度基準を設定することが必要と考えられるが、見解を示されたい。
質問2
放射性物質の飛散がほとんどない地域における対応災害廃棄物の処理については、全国一律の基準が設定されているが、放射性物質の飛散がほとんどないこの地域の県民感情に配慮すると、県民の理解をいただくためには、さらにきめ細かな基準が必要と考える。このため、こうした地域における、より安心できる基準を設定するといったことも考えられるが、見解を示されたい。
質問3
埋立処分地跡地利用とそれを利用する県民の安全性の視点からの基準の設定埋立処分地跡地の利用については、通常、工場等事業用地や、公園、畑・果樹園等農地など様々な形態がある。その中で埋め立てる焼却灰等が埋立基準8,000 ベクレルを超えない場合であっても、『埋立処分終了後の跡地については、十分な安全性が確認されない限り「居住等」の用途に供することは避けること』とされていることから、埋立後の安全性を県民に明確に説明するためのきめ細かな情報と基準が必要と考えられる。このため、跡地の利用形態ごとに、それを利用する県民の安全性の視点から、きめ細かな安全基準を設定することも含め、見解を示されたい。
質問4
放射性物質の濃度基準を超えた場合の処理災害廃棄物の焼却灰について、埋立基準8,000 ベクレルを超えた場合に、県民にどう説明し、その焼却灰についてどう処理すべきか、見解を示されたい。
質問5
放射性物質のモニタリング災害廃棄物を処理する際の保管場所、焼却施設、埋立処分地の周辺環境の安全性を県民に理解してもらうため、放射性物質のモニタリングの実施が不可欠であり、その手法及び判断基準が必要と考えられるが、見解を示されたい。
質問6
災害廃棄物の焼却等に伴う施設管理災害廃棄物を焼却施設等で処理した場合に、放射性物質等によるバグフィルター等施設そのものへの影響が考えられる。そうした影響を踏まえた、きめ細かな処理方式ごとの運転管理マニュアルが必要と考えられるが、見解を示されたい。
質問7
焼却施設のタイプ別の安全性確保焼却施設には溶融方式など複数の燃焼形式があり、飛灰中の放射性物質の濃縮度合いの違いがあると考えられるため、燃焼形式ごとの実測データ等が必要と考えるが、見解を示されたい。
質問8
放射性物質を除去する技術の確立災害廃棄物については、放射性物質をできるだけ除去する技術を国を挙げて早急に確立し、その技術を災害廃棄物の処理に活用していく必要があると考えるが、見解を示されたい。
質問9
災害廃棄物の焼却に伴う排出ガスに係る安全性の周知災害廃棄物を焼却した場合に、放射性物質は、集塵装置などでほとんど除去されると示されている。この内容について、県民がより理解できる分かりやすい資料を提供する必要があると考えられるが、安全性に関する周知方法についての見解を示されたい。
質問10
風評被害対策災害廃棄物の処理を行う焼却施設や埋立処分地の周辺等において、農産物等に対する風評被害の発生も懸念されるが、そうした事態が起きた時の国としての対応についてどうお考えか、見解を示されたい。

※元の文書はこちらになります。

回答も公開されることを望みます。