(大分県)震災地がれき受け入れる自治体がゼロに

 東日本大震災で生じた被災地のがれきの広域処理を巡り、受け入れを前向きに考えている県内市町村や一部事務組合はゼロになったことが分かった。各団体は21日までに県を通じて環境省に報告した。

 環境省は今春も自治体に意向調査をしたが、その後にがれきから放射性物質が検出されたことなどから、再調査している。

 検討状況や処理能力について、A=すでに受け入れている、B=具体的な検討を行っている、C=受け入れに向けた検討を行っている――の三択から選ぶ形。その結果、「該当する選択肢がない」として全18市町村と2事務組合はABCいずれも選択せず提出した。

 春の調査では県内から豊後大野市豊後高田市佐伯市国東市、別杵速見地域広域市町村圏事務組合の5団体が「受け入れ可能」と答えていた。だが8月に国東市、9月に豊後大野市が撤回。今回は加えて佐伯市豊後高田市、別杵速見地域広域市町村圏事務組合も手を下ろしたことになる。

 佐伯市は「受け入れ可能な廃棄物は、放射性物質に汚染されていないという証明があり、佐伯市が独自に放射線測定器で安全を確認したものに限る」という姿勢だ。担当者は「(三択の質問には)該当するものがなく、いずれも選ばなかった」と説明している。

 別杵速見地域広域市町村圏事務組合は「放射性物質に汚染されたものは受け入れない、ということもあるが、施設が老朽化しており、国が提示した基準を満たしていない」として不可能だと判断したとしている。他の自治体は、取材に「処理能力に余裕がない」(中津市など)、「できる限り支援したいが市民の健康保護が第一」(大分市)などと話している。(城真弓、稲野慎)

asahi.com 2011年10月25日
http://mytown.asahi.com/oita/news.php?k_id=45000001110250003