東京都、がれき処分受け入れ

 放射能汚染への懸念から進まなかった被災地の復興に新たな動きが。東京都が、がれきの処分受け入れを決めたのです。

 宮古市藤原埠頭にあるがれきの仮置き場には、家屋や店舗を解体したものが優に10メートルを超える高さまで積み上げられています。その量、この場所だけで実に17万トンに上ります。

 環境省によりますと、被災3県のがれきは合計で2200万トンあまり。処理が追いつかず、国は4月以降、全国の自治体に処分受け入れを打診していました。今回はその第1号。

 岩手・宮古市では―――
 「ありがたい。この辺のがれきは、なかなか受け入れてくれないでしょうから」
 「引き受けてもらってなくなれば、臭いもなくなるし」

 受け入れ先となるのは東京湾に浮かぶゴミ処分場。ここが、東京以外からゴミを受け入れるのは今回が初めてです。都は、10月中をメドに岩手県宮古市からまず1000トン。2013年度までに岩手と宮城のがれきを合わせて50万トン受け入れる計画です。

 「(Q.処理場も埋める所がないと言われるが?)東京都の処分場では、まだ空間的にはあるので何十年間はもつ。がれきの量はあくまでも『現地で50万トン』。処理・処分して何万トンかがこっちに入る」(東京都廃棄物埋立管理事務所・高橋章所長)

 被災地のがれき受け入れが全国で進まないのは、放射能汚染への懸念が大きな要因です。実際、都には受け入れ発表以降、問い合わせが相次いだといいます。

 「子どもへの影響を心配して電話をかけてくる人が多いのかなと思っております。(がれき処理を)進めてほしいという声もあるので、両方耳を傾けながら進めていきたい」(東京都環境局・今井正美課長)

 都によりますと、岩手県ががれきの焼却灰を調べたところ、放射性物質は1キロ当たり133ベクレルと国の基準を大きく下回ったといいます。

 「安全性を確認して東京都が引き受け入れることにより、ほかの自治体も処理をしていく。そういう態勢ができるようにすることで、被災地のがれきの処理が進むと考えている」(東京都環境局・今井正美課長)
(29日18:00)

TBS News
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