10万ベクレル超も管理型処分場に 環境省が埋め立て容認へ

 環境省有識者検討会は25日、1キログラム当たり10万ベクレルを超える放射性セシウムを含む焼却灰などについて、外部に放射線が漏えいしない対策を取った上で管理型最終処分場に埋め立てることを容認する方針で一致した。コンクリート製の箱に詰め、全体を覆土する方法を想定しており、来月の次回検討会で詳細な埋め立て方法などを議論する。

 10万ベクレル超の焼却灰について、環境省は有害な重金属などを含む廃棄物を埋め立てる遮断型最終処分場での埋め立てが可能としてきたが、委員から「処分場の作業員や周辺住民の安全が確保できれば、管理型処分場での埋め立てでも問題ない」との指摘があったという。

 処分先の選択肢が広がる一方で、焼却灰処理は10万ベクレル以下でも停滞しており、10万ベクレル超の処理の展望は不透明だ。

 検討会では焼却灰の処理状況も報告。関東や東北地方を中心とした16都県の410施設のうち、22施設が8千ベクレル以下の焼却灰を住民の反対や他県の受け入れ拒否などの理由で一時保管していた。また8千ベクレル超10万ベクレル以下の焼却灰が出た7都県42施設では埋め立てが行われず、一部の施設は保管が限界に近づいているという。また群馬県伊勢崎市の最終処分場の排水から、モニタリングの目安をわずかに上回る放射性セシウムが検出された事例が報告された。

 環境省自治体とモデル事業を実施、安全を確保しながら施設ごとに処理指針を柔軟に運用するなどして8千ベクレル超の焼却灰の処理を進める考え。

 会合では、東京電力福島第1原発事故で放射性物質に著しく汚染された廃棄物処理を国が行うとした特別措置法の来年1月の全面施行を受け、国が直轄処理を行う地域の指定基準などについても議論。来月10日の次回会合で基準の素案を取りまとめる見通しだ。

中国新聞 '11/9/25
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201109250160.html