東日本大震災:横浜市、汚泥焼却灰埋め立て計画凍結 「説明不足」市長謝罪 /神奈川

◇抗議のメール・電話相次ぐ
 横浜市の林文子市長は14日、放射性セシウムに汚染された汚泥焼却灰を15日以降、南本牧廃棄物最終処分場(中区)に埋め立てる計画について、凍結する考えを明らかにした。9日の発表から、わずか5日後の方針転換。市長は「説明不足」を謝罪し、「市民の不安を取り除きたい」と繰り返した。

 「説明から発表まで短かったことを把握していなかった。反省している」。林市長は厳しい表情で語った。

 計画発表は9日午後。市によると、担当者がその日午前に地元の「本牧・根岸地区連合町内会」の会長、港湾関係の企業十数社に同処分場への埋め立てを説明したという。焼却灰から検出された放射性セシウムは、国が通知した埋め立てを可能とする数値(1キロ当たり8000ベクレル)を下回るが、この計画が報じられると、市には「説明が足りない」などと抗議のメールや電話などが相次いだ。

 林市長は「納得いただくには、もっと時間が必要。市民の不安をぬぐわないといけない」と説明する一方で、同処分場への埋め立て以外の方法も検討するよう関係部局に指示したことを明かした。

 現在、市の2カ所の下水処理場では、大型の土のうに焼却灰を袋詰めにして敷地内で保管している。このうち、南部汚泥資源化センター(金沢区)がほぼ満杯で早急な対応が求められるが、同処理場への埋め立て以外「なかなか難しいのが現状」(林市長)だ。

 この日夜、同地区の連合町内会館で市の担当者が地元住民らに市の方針を説明した。約80人が出席し、「報道で初めて知った。なぜ、それまで何も知らせてくれなかったのか」「汚泥を運ぶ際、車が事故を起こした場合どうするのか」などといった質問が相次いだ。【中島和哉、武本光政】

毎日新聞 2011年9月15日 地方版
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20110915ddlk14040271000c.html