(神奈川県)埋め立て協力の意向、震災がれき焼却灰で吉田市長/横須賀市

 東日本大震災で発生したがれきの処理を黒岩祐治知事が県内で受け入れる意向を示したことに関し、県の産業廃棄物最終処分場がある横須賀市吉田雄人市長は21日の定例会見で「知事の気持ちは理解できる」と述べ、協力する姿勢を示した。「何よりも地元の理解が大切」とも強調し、処分場周辺への説明を県に求めた。

 吉田市長は、処分場のある地域周辺のほか「搬送車両が通る地域も含めて丁寧に説明してほしい」と県に要望。「市としても、地元の声を県に届けることになるだろう」と話した。

 がれきを焼却した後の灰を埋め立てる場所として想定されるのは、市西部の芦名地区にある県の産廃処分場「かながわ環境整備センター」。近隣には、横須賀市三浦市が進めるごみ処理広域化計画に基づき、新しい処理施設を建てる計画地もあり、11月に地元自治会から建設の容認を取り付けたばかり。吉田市長が地元への説明を求める背景には、こうした事情もある。

 処分場をめぐって県と地元自治会の間で結んだ協定には、県外からの廃棄物を持ち込まないことや品目を8種類に限定することなどが盛り込まれている。県と地元は定期的に状況が報告される協議の場を設けているが「許可権限のない市は参加していない」(資源循環部)。

 処分場のある地元の町内会幹部は21日、「災害という特別な事情は理解しているが、ここはあくまで県内から出る廃棄物を埋め立てる処分場としての覚書を結んでいる。まず住民が納得できるよう説明を尽くしてほしい」と話した。

カナロコ 12月22日(木)0時0分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111222-00000001-kana-l14