(静岡県)島田市、岩手・2町のがれき受け入れ 関東以外で初

◆来週正式表明

 東日本大震災の被災地のがれき処理について島田市は、岩手県大槌町と山田町のがれきの受け入れを決めた。来週にも桜井勝郎市長が会見し正式表明する。環境省によると、受け入れが実現すれば、震災で大きな被害、影響を受けた東北、関東以外の自治体で初めてとなる。

 桜井市長は13日、自治会長らの会合で「東北で困っている皆さんを何とかお手伝いしたい。東海地震が来た時にお世話になる可能性もある」と述べた。懸念される放射能濃度には「ゼロなら一番良い。多少は出るけれど、何も心配ない」との認識を示し、受け入れに理解を求めた。ただ市内に最終処分場があることなどから、受け入れには慎重を期し、両町のがれき10トンを試験的に先行処理し放射線量などを測定。国の規制値以下なら本格的に受け入れる考え。

 同市伊太のごみ処理施設「田代環境プラザ」の処理能力は日量148トン。現在は日量100トンを処理しており、余剰分で受け入れる。最終処分場は同市阪本にあり、市は十分余剰があるとしている。市は既に、同施設の地元と、最終処分場の一部所有者らにがれき処理の説明を始めている。

 一方、市は日量20トン、年間5000トンのがれきを3年間、受け入れる意向を既に県に打診している。県は、県内自治体で総計600トンの受け入れを表明しているが今後、具体的な受け入れ方法、受け入れ量について調整が図られそうだ。

 桜井市長は中日新聞の取材に「被災地をじかに見ているので復興のお手伝いがしたい。どうか市民には理解してほしい」と話した。

 島田市のがれき受け入れについて環境省廃棄物対策課は「これまでも個別自治体名は公表していないが、西の方の受け入れは聞いたことがなく、初めて。国としては全国に広がることを歓迎したい」としている。

中日新聞 2011年12月14日
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20111214/CK2011121402000141.html