宮城県女川町のがれきも都内へ搬出 140トン試験焼却へ

 東日本大震災で発生した宮城県女川町のがれきを東京都へ搬出する作業が7日、同町の破砕選別場で始まった。都と女川町が11月に結んだがれきの広域処理協定に基づき、来年2月の本格的な開始を前に、計140トンを都内で試験焼却する。

 宮城県によると、女川町のがれき総量は計51万2千トンで、うち焼却可能なのは14万6千トン。

 この日は、山積みの一時仮置き場からガスボンベなど危険物を取り除いて隣接する中間処理施設に搬送。がれきをベルトコンベヤーに乗せ、細かな金属を磁石で除去、その後、約20人が手作業で選別作業に当たった。がれきは8割が木くずとなった。

 放射線の空間線量やコンテナごとの遮蔽線量率を測定。基準値を下回っていることを確認した上で、約10トンを積んだコンテナ10個をトラックで仙台市に輸送し、貨物列車に積み直して13日に都内の清掃工場で一般ごみと一緒に焼却する。

 須田善明女川町長は「地元で処理すれば100年かかる。東京の理解と協力にお礼申し上げたい」と話した。

 東京都は協定に基づき2013年度までにがれき約10万トンを処理する予定で、来年2月から1日約50トンの本格受け入れを始める。

 都は岩手県宮古市のがれきの受け入れも始めており、13年度までに両県のがれき計約50万トンを処理する方針。〔共同〕

2011/12/7 13:05 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819695E2E5E2E3978DE2E5E3E0E0E2E3E39191E2E2E2E2