(栃木県)がれき処理、市町で差 芳賀郡市、量多く苦慮

 東日本大震災で発生した県内26市町のがれき処理で、再利用に回り「処理済み」となったがれき7 件の割合の高い自治体と低い自治体で両極化する傾向のあることが5日、県のまとめ(9月30日時点)で分かった。宇都宮市高根沢町が70〜80%台なのに対し、真岡市、芳賀町などは0%台と格差が大きい。

 県は「各市町で処理の開始時期が異なり進み具合に差が生まれたが、近くほとんどの市町が処理に着手する。差は次第に縮小する見通し」としている。

 同日の県議会農林環境常任委員会で県環境森林部が示した。

 被害が大きく特定被災地方公共団体となっている12市町のうち、最も処理が進んだのは那須烏山市で92%。

 がれき7 件の量が2万トンを超えている市町のうち宇都宮市(81%)、高根沢町(72%)など処理済みの割合が高い市町は、3、4月など早期に処理に着手した。真岡市(0・4%)は処理着手が9月7日、芳賀町(0・6%)は10月下旬に着手予定と、割合の低い市町は着手が遅れている。

 9月30日時点で処理に未着手なのは芳賀町など8市町。合併直後の栃木市を除き、10月中旬から11月中旬にかけて7市町が処理を始める予定。

 芳賀郡市などでは人口規模に比べて大量のがれきが発生し、苦慮している状況がうかがえる。依然として仮置き場へのがれき7 件搬入が続く地域もある。県は「技術的な面などで市町に情報提供し支援したい」としている。

 一方、がれきの総量は9月30日現在で計約20万3千トンに上り、8月17日時点より約9600トン増えた。処理量も1万9300トン増え7万3900トン。処理済み量の割合は県全体で37%と8ポイント上昇した。

下野新聞 (10月6日)
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/saigai/miyagi-jishin2011/20111006/628836