東日本大震災:流出がれき300万トン 松山・愛媛大で海ごみ対処法を議論 /愛媛

 東日本大震災で海洋に流出したがれきなど廃棄物について考えるイベント「東日本大震災に起因する漂流漂着物問題について」が23日、松山市文京町の愛媛大であった。全国の学識経験者や行政職員、NPO関係者ら約100人が出席。研究者からは「流出がれきの推計量は約300万トン」といった報告があり、漂着したがれきの対処法などについて意見を出し合った。

 海岸漂着ごみについて話し合う「海ごみサミット・愛媛会議」の一環。愛媛大と、海洋ごみの調査研究を行う団体「JEAN」(東京都)が主催した。

 イベントでは、震災廃棄物にかかわる3人が報告。そのうち、国立環境研究所の石垣智基・主任研究員は、海に流出したがれきの量について、国が震災前に推計していたがれき量と、現在陸地に残るがれきの差から求める方法と、ごみの組成から算定する手法の2種類を紹介。その結果はほぼ一致したことで、「恐らく約300万トンとみられる」と説明した。

 また、環境省の宮元康一・海洋環境室長補佐は海底に沈んだごみの分布状況を、「岩手県では沿岸近くに、仙台湾では比較的沖合まで広がっている」と話した。

 参加者からは「さまざまなネットワークを駆使して漂流ごみについて対処すべき」などと意見が出た。【津島史人】

毎日新聞 2011年9月24日 地方版
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