保管場所満杯 がれき、汚泥処分手詰まり

 県内のがれき、汚泥の最終処分はほとんど進まず、がれきの仮置き場や汚泥の保管場所が満杯になりつつある。早急な処理が求められるが、処分場周辺の住民は放射性物質に汚染された廃棄物に拒否反応を示し、手詰まり状態が続いている。

 県内で発生したがれき約340万トンのうち、約145万トンが仮置き場に搬入されている。推計で約61万トンのがれきが出た南相馬市では9カ所ある仮置き場のうち、4カ所で受け入れが限界に達した。市は追加の仮置き場を選定し、地権者との交渉を急いでいる。

 一方、県内の下水処理施設で行き場のなくなった汚泥は9月末現在で約1万5000トンに上っている。震災前は排出された汚泥の9割ほどはセメントの原料などに再利用されていたが、業者は引き取りを中止している。

 国はセメントに加工後、1キロ当たり100ベクレル以下になれば、流通させて問題ないとしている。県外では業者が汚泥の回収を始めているが、県内ではその動きはない。

 県の担当者は「有効な打開策が見当たらない」と苦渋の表情を浮かべる。

福島民報 2011年10月 9日
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2011/10/post_2115.html